2022/06/01
交通事故に遭い、「むちうち」の症状で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。むちうちといってもその症状は多岐にわたり、つらい後遺症で苦しんでいる方も少なくありません。
今回はむちうちの症状や原因について詳しく解説していきますので、お悩みの方はぜひ参考にしてください。
むちうちとは
むちうちとは、むちを打つように首を前後に強く動かしたことで生じる首の損傷のことを指します。医学的な傷病名ではなく、外傷性頚部症候群や神経根、脊髄損傷などの診断をする医師も多いです。
むちうちは、一般的に自動車やバスなどの追突事故によって引き起こされます。ほかにも、スポーツ事故や身体的虐待、転倒といったことが原因で起こることも多くあります。症状によってはレントゲン撮影やMRIなどのチェックが必要のため、事故に遭ってしまった場合、整形外科医の診療を受けましょう。
ほとんどの場合、鎮痛剤の投与や運動療法によって、数週間以内に改善します。
しかし慢性的な首の痛みをはじめ、つらい後遺症を抱える人も多くいるため、やはり勝手な判断は危険だといえるでしょう。
むちうちの症状
むちうちの代表的な症状は以下のとおりです。
・首の痛み
・首のコリ
・肩の痛み
・腰の痛み
・めまい
・腕や手の痛み
・腕や手のしびれ
・耳鳴り
事故直後に症状が出る方もいますが、数日ほど経ってから症状があらわれる方も少なくありません。そのため、事故後数日間は体の変化に注意することが大切です。
また精神的な症状としては、不安感やイライラ、焦燥感などが見られます。 比較的軽い症状と考えられていますが、長期的な痛みや不快感を引き起こす可能性もあります。むちうちの症状はほかの疾患と似ている場合があるため、悪化させないためにも医療機関を受診して診断を受けてください。
むちうちの原因
むちうちの多くは、首の軟部組織(筋肉や靭帯)が通常の可動域を超えてしまうことで起こります。自動車の追突事故だけではなく、スポーツによるケガでも発症します。サッカーのタックルやアメリカンフットボールなどで見られる衝突でむちうちとなる方も多く、長期間の離脱を余儀なくされるケースも少なくありません。
むちうちの後遺症
むちうちを患った人のなかには、事故後何年も慢性的な痛みや頭痛などの後遺症に悩まされる方も少なくありません。これらの痛みは、首の関節や椎間板、靭帯の損傷によるものが多いとされています。
ただし慢性的な痛みのなかには、医学的には説明できないものも少なくありません。通常、回復には数日から数週間かかります。米国国立神経疾患・脳卒中研究所によると、ほとんどの人は3ヶ月以内に回復するといわれていますが、個人差もあるため注意が必要です。
むちうちの治療法
むちうちの治療は比較的簡単です。多くの医師は、タイレノールやアスピリンなどの鎮痛剤を処方します。重症の場合、筋肉の痙攣を抑えるための筋弛緩剤が必要になることもあり、患者さんの状況に合わせて対応するのが一般的です。
薬物療法のほか、理学療法が回復に重要な役割を果たします。ケガをした部分をケアしつつ、首の筋力や柔軟性を高めるために簡単な運動をするとよいでしょう。
また、首の筋肉に負担がかからないように、正しい姿勢で生活するように心がけましょう。 症状に応じて、首を安定させるためにサポーターをつけることもあります。機能性に長けているものも多いので、医師と相談しながら決めるようにしましょう。
ほかにも、痛みをやわらげるために、代替療法を試してみるのもよいでしょう。筋肉の緊張をやわらげるためのマッサージ、穏やかな電流を流すことで首の痛みを軽減させる電子神経刺激法、鍼灸治療などが一般的です。
むちうちになったら
むちうち後は、正しい姿勢を維持することが大切です。座っているときだけではなく、立っているときも背筋を伸ばしておくことで、コリや痛みの発生を防ぐことができます。
デスクワークで長時間座っている場合、首や背中が硬くならないように定期的に立ち上がり、体を動かすようにしましょう。回復期間中は、デスクチェアにサポーターを用意する必要があるかもしれません。医師の判断があるまでは安静に過ごし、症状の回復に努めるようにしましょう。
まとめ
今回はむちうちの症状や原因について解説しました。むちうちとは、むちを打つように首を前後に強く動かしたことによる首の損傷のことを指します。一般的に自動車の追突事故によって発症しますが、スポーツ関連の衝突によってむちうちになる方も多いです。
首の痛みや首のコリ、肩の痛みやめまいなどの症状があらわれますが、いずれも早期の治療が必要となります。数日ほどで回復する方がるいる一方、慢性的な頭痛などの後遺症に悩まされる人も少なくありません。
治療法としては、薬物療法や理学療法などが挙げられるので、医師や整体師などの治療を受けてつらい痛みを改善させましょう