2022/12/01
腰痛は老若男女問わずよく見られる症状です。腰痛の治療法としては安静にする、温めたり冷やしたりするなど多岐にわたりますが、腰回りの筋肉をやわらげるマッサージも有効な方法です。
自分でマッサージをするほか、専門家に頼んでマッサージしてもらうのもよいでしょう。今回は、マッサージの効果や腰痛をやわらげるマッサージの方法について解説していきますので、お困りの方はぜひ参考にしてください。
そもそも腰痛にマッサージは効果ある?
腰痛には2つのタイプがあり、急性腰痛と慢性腰痛の2つに分類されます。急性腰痛は4週間以内に症状が改善されるものであり、急性腰痛患者の90%は1~2週間程度しか痛みを感じないといわれています。
一方、慢性腰痛は3ヶ月以上痛みや違和感などが続くため、日々のストレス源となることも少なくありません。
マッサージはどちらのタイプの腰痛にも効果があるといわれていますが、特に急性腰痛の人に効果的です。アメリカ内科学会の最新の臨床診療ガイドラインでも、急性腰痛の効果的な治療法としてマッサージ療法を挙げています。
しかし、マッサージには慢性的な腰痛を緩和する効果も期待できます。2011年の研究『Trusted Source』によって、マッサージは慢性的な腰の痛みにも有効であることがわかりました。
主な効果としては、ベッドで座っている時間の短縮、日常生活を送る能力の向上、腰痛治療に使う薬の使用量の減少などが挙げられます。
マッサージが腰痛をやわらげる3つの理由
マッサージを行うことで、以下の3つの効果が期待できるといわれています。
血液の循環を促進する
痛みのある部分の周辺にある筋肉や組織を刺激し、新鮮な酸素を含んだ血液を炎症や痛みのある部分に送り込みます。これによって血液の循環がよくなり、痛みもやわらいでいくのです。
また、マッサージには体液を体中に移動させ、痛みのある場所に体液が溜まらないようにする効果もあります。体液が溜まると腫れの原因になるため、腫れを抑えるためにも有効な手段といえます。
筋肉の緊張をやわらげる
マッサージを行うことで、筋肉の緊張をほぐすことができます。痛みをやわらげるだけでなく、治癒のプロセスを早めることにもつながります。
痛みが出ている筋肉だけではなく、周辺の筋肉にアプローチすることで、腰痛以外の症状の改善にも期待できるでしょう。
エンドルフィンの増加
マッサージをすることで、体内の快感物質であるエンドルフィンが増加することが科学的に証明されています。エンドルフィンは痛みをやわらげる作用があるため、マッサージは腰痛に効果的といわれています。
ただし、マッサージのやり方が正しくないとその効果も半減され、痛みなどの症状も残ってしまうようになるでしょう。
マッサージといってもさまざまな方法があり、症状に応じて最適な力の入れ具合やテクニックは異なるので、不安な方は施術を受ける前に担当の方と相談しておきましょう。
腰痛に効果的なマッサージ
腰痛に効果的なマッサージはいくつかありますが、代表的なものとしてディープティッシュ(深部組織)マッサージが挙げられます。こちらは特定の筋肉に対し、さまざまなパターンで力を加えていくマッサージ方法となります。ピンポイントで圧を加える方法のため、場合によっては強い痛みを伴うでしょう。
そのため、リラックスしてマッサージを受けたい方にはおすすめすることができません。友人や家族にマッサージしてもらうことも可能ですが、力の入れ具合を間違ってしまうと悪化する恐れがあるため、基本的には専門的な知識や経験のあるセラピストや整体師からマッサージを受けるようにしましょう。
腰痛に効くセルフマッサージ
経験豊富な整体師の施術を受けるのがベストですが、セルフで腰痛向けのマッサージをすることもできます。
なお、自分でマッサージをするには、専用の道具が必要になることが多いです。
セルフマッサージのやり方
背中にあるツボを刺激することで、腰の痛みがやわらぐことがあります。以下に、ボールを使ったセルフマッサージの方法を紹介していきますので、無理のない範囲で実践してみてください。
1.床の上にあおむけになる
2.マッサージローラーを背中に当てる
3.マッサージローラーが腰に沿って転がるように、ゆっくりと体を動かす
このストレッチはボールではなくマッサージローラーを使って行うこともできるため、症状の程度に合わせて使用してみてください。
まとめ
今回はマッサージを受けることで得られるメリットのほか、腰痛をやわらげるマッサージの種類やセルフマッサージの方法について解説しました。施術を受けることで血液の流れがよくなり、腰の痛みや違和感などの症状も徐々にやわらいでいくようになるでしょう。
もちろん、すぐに痛みが改善されるようなケースはほとんど見られないため、医師や整体師などからのアドバイスを受けつつ、少しずつ症状の改善に努めていきましょう。