2024/01/04
「指が伸びない」状態になっている場合、マレット指の恐れがあります。マレット指を放置すると、関節が曲がったまま固まってしまうなどのリスクがあり、治療に長い時間がかかってしまいます。
今回はマレット指の概要から症状、効果的な治療法まで解説していきますので、指の不快感や痛みなどでお悩みの方はぜひ参考にしてください。
マレット指とは
マレット指とは、指の先端が手のひらの内側に向かって曲がってしまう症状のことです。スポーツ障害の1つですが、野球選手に多く見られる症状であることから「野球指」とも呼ばれています。
指の骨と筋肉をつなぐ腱が伸びたり切れたりするため、指先をまっすぐにすることができません。また、指の痛みや腫れなどの症状もあらわれることがあり、ストレス要因の1つにもなってしまいます。
マレット指の症状
マレット指になると、指先が垂れ下がり、自力ではまっすぐになりません。指が痛んだり腫れたりするほか、爪の下に血が溜まることもあります。 また、爪の根元にある皮膚の折り目の下から、爪が剥がれることもあります。そのほかにも、爪床に傷がある、指の骨が折れて傷が骨まで貫通しているケースも多いので、早めに医師の診察を受けることが重要です。
野球やバレーなどで使うボールが指を直撃すると、指先にある腱が断裂することがあります。腱はコラーゲンの繊維でできたロープのようなもので、筋肉と骨をくっつけていますが、指に衝撃が加わると腱の軟部組織が壊れてしまいます。また、腱が指先の骨から引き離されることもあるため、球技をしている方は注意が必要です。
子どものマレット指
子どもの場合は、ドアで指を押しつぶすような直接的な衝撃で起こることが多いです。マレット指の主な原因は腱への強い衝撃ですが、場合によっては軽い衝撃でも腱を傷つけることがあります。軽い衝撃による損傷は、高齢の女性に多く見られ、靴下を履くときやベッドメイキングなどの最中によく起こります。
マレット指になったら
マレット指の可能性がある場合、指を固定する必要があるため、できるだけ早く最寄りの病院に行きましょう。また、医師の診察を受けるまでは手を上げておくようにしてください。そうすることで、腫れや痛みを抑えることができます。
患部に指輪をしている場合は、外しておくようにしましょう。腫れがひどくなると指輪を外すのが困難になったり、指への血液供給が滞ったりする可能性があります。指を固定した後は、タオルで包んだ氷嚢を1日に数回、10~20分程度当てることで痛みや腫れを抑えることができます。
装具での治療
マレット指に対する主な治療法は装具を使ったものです。腱が治癒するまでの間、装具で指先をまっすぐに保ちます。 通常、マレット指は6週間ほど装具を装着して治療しますが、症状によって2~4週間ほど延長されることも少なくありません。装具にはさまざまな種類がありますが、一般的にプラスチック製のものが使われています。
マレット指を放置するリスク
痛みがあまりなく、手がまだ動く場合でも、できるだけ早く治療を受けるようにしましょう。マレット指を放置しておくと、指が動かなくなってしまう恐れがあります。あるいは指が変形を起こし、関節が間違った方向に曲がってしまうことも少なくありません。
特に子どものマレット指には、さらなる懸念が伴います。骨の成長をコントロールする指の軟骨に悪影響を与える恐れがあり、これを治療しないと指が適切に成長しなくなってしまいます。
手術が必要な場合も
大きな骨折片がある場合や、関節がずれている場合には、手術の必要があるかもしれません。手術は骨折を修復するために行われ、ケガが治るまでの間は安静にしておく必要があります。しかし、軽症の場合は保存療法で治療することが多いので、気になる方は信頼できる医師や整体師に相談するようにしましょう。
まとめ
マレット指とは、指の先端が手のひらの内側に向かって曲がってしまう症状のことであり、指が痛んだり腫れたりするため、指に違和感を覚えた場合は早めに最寄りの病院に行きましょう。スポーツ選手に見られることが多い症状ですが、高齢の女性の方もなりやすいため注意が必要です。
一般的に、専用の装具を使って指先を固定して治療します。個人差もありますが、マレット指の改善には最低でも6週間ほど装具を装着する必要があるといわれているため、なるべく無理をしないよう、治療に専念するようにしましょう。