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野球肘とは|復帰までの期間は?症状や治療法・予防法をわかりやすく解説

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日本の国民的スポーツである野球は、ほかのスポーツと同様に、ケガや故障のリスクを伴うスポーツです。肩や腰、股関節など、体のいたるところに大きな負担がかかります。

特に投手の場合、肘の酷使によって発生する「野球肘」に苦しむことも少なくありません。そこで今回は「野球肘」の原因や予防法について解説していきますので、肘の痛みに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

 

野球肘とは

野球肘は、肘の「使いすぎ」と「繰り返しの動作」が原因で、肘の内側に痛みや腫れが生じるスポーツ障害の1つです。投球時の肘痛や肘の可動域制限、さらに小指側のしびれ感があらわれることも少なくありません。

野球のボールを投げることで、腕に大きな負担がかかります。その負担は靭帯や腱で吸収されますが、吸収できないほどの負担がかかると、場合によっては骨折してしまうこともあります。

 

野球肘の原因

野球肘の原因として、以下のものが挙げられます。

 

・年齢

・過度な投球

・若いうちからの変化球

 

年齢

若い野球選手(特に9歳から14歳)は、肘関節が十分に発達していないため、故障のリスクが高くなります。疲労骨折や靭帯の緩みなどは若い投手によく見られる症状で、これらの症状があらわれた場合、回復に努める必要があります。

 

過度な投球

不適切な投球数が野球肘の原因になることは、数々の研究で明らかとなっています。全日本軟式野球連盟の障害予防のガイドラインでは、1日に70球以内、週に500球以内が目安とされています。

すでに痛みが生じているのなら、目安とされている球数に達していなくてもすぐに投球を中断しなければなりません。適切なケアを行う必要があるため、試合中であっても、監督やコーチに痛みがあることを伝えましょう。

 

若いうちからの変化球

変化球は肘への負担が大きく、最近では「若い選手の球種を制限すべき」との意見も多いです。また、不適切な投球フォームは肘に過度の負担をかけます。投球フォームは、正しい知識を持った指導者が修正する必要があります。

 

野球肘の予防法

野球肘を予防するうえで特に重要なことは、痛みを我慢せず、十分な休息と取ることです。特にトーナメント戦を戦っていると、目の前の勝負に勝ちたい一心で、多少の痛みがあっても我慢してプレーしてしまうかもしれません。若い選手は特に、肘の痛みがあるままプレーを続けると、将来的に野球ができなくなる可能性があることを理解しましょう。

痛みを感じたらプレーを中断し、医師の診察を受ける必要があります。症状を無視してプレーを続行してしまうとよりひどい状態になってしまうため、肘の痛みがないかどうかをこまめにチェックするようにしましょう。

また、先述したように投球制限は野球肘予防にも効果的です。所属するチームやリーグの投球制限を守ることに加え、練習のときも投球制限を意識するようにしましょう。

試合での投球数を抑えていたとしても、自主練習での投げ込みによって酷使してしまっては、結果的に肘への負担を軽減することはできません。野球を長く続けられるように、肘のケアにも力を入れるようにしましょう。

 

野球肘の治療法

野球肘を改善させるためには、炎症や損傷が回復するまで安静にする必要があります。また、腫れを抑えるためのアイシングや、非ステロイド性抗炎症薬の投与なども有効です。

そして、客観的な視点から行う投球分析も治療の一部です。不適切なフォームが身についていると、治療が成功したとしても、再発してしまう恐れがあります。トレーナーやセラピストがシミュレーションやビデオ分析を用いて投球動作の異常を検出し、パフォーマンスを向上させるための提案を行います。

また重症の場合には、手術を行うことも珍しくはありません。一般的にトミー・ジョン手術として知られている「UCL再建術」は、1974年にこの種の手術を初めて受けた元ロサンゼルス・ドジャースの投手、トミー・ジョンにちなんで名付けられました。

手術が必要な場合は、フォローアップとして理学療法が推奨されます。一般的に、復帰には通常1年ほどかかるといわれていますが、場合によっては以前のレベルに戻るのに2年ほどかかることもあります。

 

まとめ

今回は野球肘の原因や予防法について解説しました。野球肘は主に肘の酷使やオーバートレーニングによって発症する、スポーツ障害の1つです。肘の内側に痛みや腫れが生じ、徐々に可動域が制限されてしまうため、早期の治療が必要となります。

肘の痛みがあるままプレーを続けると、将来的に野球ができなくなってしまう恐れがあります。練習前のウォームアップや投球後のアイシングなどを徹底し、大事な肘をケアしましょう。