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外反母趾とは?原因や矯正法などを解説します

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足の親指の付け根が突き出して指が内側に「く」の字のように曲がってしまう「外反母趾」。足の代表的な疾患で、矯正する術式は約150種類以上あるといわれています。

軽症であることも多い一方、痛みがないからといって放置していると悪化するケースも少なくありません。今回はそんな「外反母趾」について、原因や矯正法などを紹介していきますので、外反母趾のことでお悩みの方はぜひ参考にしてください。

 

外反母趾とは?

外反母趾(がいはんぼし)は医学的には、母趾(足の親指)の付け根にあるMTP関節と呼ばれる関節が小指側に曲がり、その角度が20度以上になると診断される足の病気です。曲がった角度が20度未満なら軽度、20度以上40度未満が中度、40度以上が重度と分類されています。

 

外反母趾と年齢の関係

外反母趾は女性に多く、年齢層は10代から高齢の方まで幅広く見られる症状ですが、特に30~50代が悪化しやすいといわれています。

また、足の長さが20cmを超える小学校の中高学年になると、特に女子の発症率が上がるほか、体重が増加する15歳頃で発症することも少なくありません。

体の変化とともに、外反母趾の発生率が変化することもあります。これは、筋肉や骨格が弱くなり始める40歳ぐらいから増加する傾向があることからも推測できます。

 

外反母趾の原因

外反母趾の主な原因は、生活様式によるものと、生まれつきの足の形によるものとの2つが考えられます。

 

靴が原因の外反母趾

1965年にセントヘレナ島で行われた調査では、外反母趾は靴を履いていない住民の2%に見られ、靴を履いている男性の16%、女性の48%に見られたと報告されています。日本の調査においても、素足に草履の女性の方が、靴を履いていた女性よりも曲がる角度が小さかったそうです。

このように、外反母趾の多くは普段履いている靴が原因です。特に、靴の幅が狭くつま先が細い靴は母趾が圧迫されやすく、ハイヒールのようにヒールの高いものは、より力が加わります。この不自然な力が母趾の関節の変形を引き起こすのです。

女性の場合、外反母趾である自覚は年を重ねるごとに増加して、その後は横ばいになる傾向にあります。これは、ハイヒールを履いている期間と関係しており、実際にハイヒールを履いている10年間に増加し、そのあとは横ばいになると報告されています。このように、足を圧迫することが外反母趾の要因と考えられますが、靴以外が要因であることも少なくありません。

 

足の形が原因の外反母趾

負担が少ないスニーカーなどを履いている中高生でも、生まれつきの足の形が原因で、外反母趾の症状があらわれる場合があります。特に母趾が足の人差し指より長い形状の場合、母趾にねじれた力がかかりやすいといわれているため注意が必要です。

また、偏平足(へんぺいそく)や開帳足(かいちょうそく)が外反母趾の症状を引き起こすともいわれています。しかし多くの報告書では、足のアーチ状の変形に関係性を認めていますが、否定的な意見もあり、明確な答えがないのが現状です。

 

外反母趾の矯正法

症状の程度によって異なりますが、外反母趾の治療では主に保存療法と手術療法の2つの方法が採用されています。

 

保存療法による矯正

外反母趾の症状が軽度であれば、手術をせずに治療することも可能です。主に、装具療法と運動療法の2つがあります。

 

装具を使って改善させる

外反母趾の原因の1つに、偏平足などによる足のアームの崩れがあります。足の形に合わせたインソールを作り、痛みの改善を図ります。医療機関で購入した装具の場合、保険が適用される場合もあるので、経済的な負担は比較的少ないといえるでしょう。

また、親指と人差し指の間に挟んだり、母趾を内側に引っ張ったりすることで変形を矯正する装具もあります。装具による矯正効果に関しては明確な報告はありませんが、約50%の痛みを改善させる効果があると報告されています。ただし、装具を外すと痛みが再度発生するため注意が必要です。

 

運動療法で改善させる

外反母趾の運動療法で有名なのが、両足の親指に幅の広いゴムをかけて行う「Hohmann(ホーマン)体操」です。床に足を投げ出して座り、両足のかかとをつけて固定し、かかとを軸に親指を外側に広げて5秒~10秒間ほど静止します。この状態を保つことで親指がゴムで引っ張られ、関節の曲がりの改善が期待されます。

この運動を1セット30回、1日3回ほど行うのがベターです。また、足の指でグー・パーを繰り返す運動も外反母趾の改善につながります。

 

手術療法による矯正

靴に足が入らないほど大きく曲がり、痛みが激しい場合は手術療法がおすすめです。一般的には足の曲がりが30度から40度以上は、手術を検討することが必要でしょう。

外反母趾の手術療法は、約150種類以上の術式が存在し、現在でも新しい術式が開発されています。主な術式には、近位骨切り術・骨幹部骨切り術・遠位骨切り術・遠位軟部組織手術などがあり、これらの中でも、「骨幹部骨切り術」は外反母趾の代表的な術式として知られています。

外反母趾の手術の場合、関節を残す方向で行いますが、場合によっては切除関節形成術・関節固定術・人工関節置換術を行って関節を切除することも少なくありません。ただし、変形の程度や年齢を考慮して決める必要があります。

 

外反母趾を予防するために

外反母趾の主な原因は普段履いている靴にあるため、日頃から足に負担の少ない、自分の足に合った靴を履くことが大切です。歩きやすいスニーカーのほか、足に優しいサンダルなどに履き替えることも、予防につながります。

また、「ペタペタ歩き」や「かかとに重心を置いた歩き方」は、外反母趾につながる可能性があります。「かかと」から「土踏まず」、「つま先」の順番で足の裏全体を使って歩くのがベストです。さらに、足指のストレッチやアキレス腱伸ばしなどの運動も予防効果が期待されるので、日頃から意識して行うようにしましょう。

 

まとめ

足の親指の付け根が曲がって痛みが発生する「外反母趾」は、多くの人が抱えている疾患で、痛みに苦しんでいる方も少なくありません。主な原因はハイヒールなど足を圧迫する靴にありますが、生まれつきの足の形が原因で発症することも多いです。

外反母趾の治療法には保存療法と手術療法の2つがあります。軽症の場合は保存療法ですが、足の痛みが激しい場合は手術療法を検討することも必要です。日頃から足の形に合った靴を履き、正しい歩き方を意識して予防していきましょう。